Creativeのアクティブスピーカー、Pebble(無印)のレビューです。
Creativeの比較的新しいシリーズ、Pebbleシリーズのはじまりにして最廉価のモデルです。このPebble(無印)が発売された後、上位版のV2、V3、サブウーファー付きモデルが発売されたと記憶しています。筆者はこの無印版が発売されて間もない頃に購入したので、上位版の選択肢はありませんでした。
筆者は1600円くらいで購入した記憶があるのですが、現在は2000円少々くらいになっているようです。しかし、現在の価格でも圧倒的にコストパフォーマンスが高いと言えると思います。
かんたんレビュー
外観・仕上げ等
外観や仕上げのついてのレビューです。
全体
全体。ほぼ球形です。半光沢の金色のユニットが目を引きます。
正面の光沢がある黒の仕上げが良い感じにも見えますが、プラスチックの無仕上げのため、現物はあまりイカしていません。
右側スピーカーにはボリューム兼スイッチのツマミが取り付けられ、左側にロゴが表示してある仕様です。
大きさは直径12cm程度です。片手にすっぽり収まる程度ですが、球形のため大きく見えます。通常のPCスピーカーは縦に長いものが多いので、横幅で考えれば大きめの部類です。また、収納時等に据わりが悪いというか、球形なので他のものを重ねて置けず、スペースを犠牲にしやすい。
家具等は四角基調のものが多いので、インテリアと合いにくい感じもあります。
仕上げ
材質は全てプラスチック。正面とその他の部分で光沢感を分けるのは良いと思います。塗装等はされておらず、非常にプラスチック感が強い。
光沢部分は傷がつきやすいという弱点もあります。
背面
背面。パッシブラジエーターがあります。
このパッシブラジエーターのおかげで、サイズを超えた低音を出しているものと思われます。このように背面に配置することでスペース効率が良くなりますし、エンクロージャーが球形で定在波が発生しづらく、珍奇な外観の割に優れた設計な気もします。
下の方からケーブルが直に生えています。左右をつなぐもの、アナログ入力用、電源用の3本。長さは全て1.2mです。
左右スピーカーがケーブルで直結しているのが問題で、一時的に分離することすらできず、延長もできません。こればかりは不便です。
アナログ入力、電源用のコネクタ部は次のようになっています。
アナログ入力はステレオミニ。パソコン等から簡易的に音を出すならこれで問題ないのですが、本格的な外付けのDACなどから音を取りたい場合は不便です。そのような場合、ステレオミニをRCAに変換するケーブルが必要です。
電源はUSB Aです。このスピーカー内にDACは内蔵されていないので、デジタル入力には対応せず、このコネクタは単なる電源用です。パソコンのUSBポートに接続しても使えますが、基本的にはUSB充電器のようなものの方が音が良くなりやすいと思います。
外観 総評
丸いスピーカーです。
音のことはよく考えているように見えますが、単体で見て手放しで褒められるほど優れたデザインかと言えば、やや微妙な感じもあります。微妙にかさばりますし。
音について
音についてのレビューです。
概要
音はややカマボコ型。フルレンジ一発にしてはまとまった音です(フルレンジは低音から高音まで一発で出そうとするものなので、無理が出やすいからか、クセが出やすいと思っています)。
次の図は、このスピーカーの音を感覚的に示したものです。
この図についての詳細はこちら。
周波数的な特徴
低音域
低音はこのスピーカーで最も注目すべき部分です。本体の大きさの割によく伸びる低音が出せます。さすがに大型スピーカー並みのどっしりした低音は無理ですが(当たり前)、初めて聴いたときにちょっとびっくりするくらいの低音は出ます。バスレフ型で12cmウーファーが付いているブックシェルフスピーカーと同程度の低音が出ているのではないかと思います。
しかし、低音が多いわけではなく、伸びる感じです。筆者はバランスの良い低音だと思いますが、ドゥンドゥンの音を求めてこれを買うと拍子抜けすると思います。
中高音域
中域はフルレンジらしくよく出ていると感じますが、どうにもクリアさがもの足りない。特に音の数が多くなってくると破綻します。値段が値段なのでとやかく言うべきではないのかもしれませんが。
刺さり感はそれなりにあり、少しうるさい系の音です。また、超高域の伸びも惜しいところ。このスピーカーに付いているようなツルッとしたユニットは、小径でも高域が鳴りにくい気がします(参考:ダイソーのスピーカー)。
音場感・定位感
音場は狭く、左右スピーカー間に留まります。ただし、前後方向にやや広い感覚はあります。
定位も良いとは言えませんが、センターの音像がやや後方ぎみ、スピーカーのちょうど間くらいに感じられます。
また、左右のスピーカーはある程度離した方が良い結果になりやすいと思います。近すぎる場合は、特にセンターの定位が濁ったような感じになりました。
音について 総評
大きさの割に低音が伸び、クセは少ない無難な音です。しかし、細かいクオリティを求めると無理が出てきます。
PCからお手軽に音を出したいとか、あまり音が重要ではないゲームなどには十分に使えます。特に低音が伸びるのはゲーム用途に有利と思います。音楽鑑賞用途には積極的にオススメするものではありませんが、必ずしも不適だとは言いません。
機能性・操作性
機能性や操作性についてのレビューです。
機能性
機能性は普通。アクティブスピーカーとして最低限の機能しかありません。アナログ入力された音を増幅し、スピーカーから出しているだけです。
このPebble(無印)には、Bluetooth等の現代的な機能はありません。そのような機能が欲しいなら、V2やV3といった上位モデルの購入を検討しましょう。
操作性
操作性は良い。と言っても、ボリュームくらいしか操作するものはありませんが。
ボリュームは前面に付いており、ツマミも小さすぎないので操作はしやすい。トルク感があり、スカスカのフィーリングではないところも好感が持てます。
その他
分解の方法
このスピーカーを分解するには、前面の光沢部品を外す必要があります。この部品は、プラスチックの弾力で圧入されるような形で取り付けられています。ガンプラのようなスナップフィット式のプラモデルみたいな感じです。
そのためには、ユニットのエッジ外周部から細いマイナスドライバーを少しずつ入れ、徐々に部品を浮かせるようにします。これをチマチマやっているとやがて外れます。このとき、ユニットのエッジを傷つけないように注意してください。このユニットはウレタンエッジのため、少しのことで簡単にマイナスドライバーが刺さります。また、マイナスドライバーを挿し込む部分は必ず傷が付きますので、それは覚悟してください。
なお、底面のゴム足を剥がしても何も出てきませんので、無駄なことはしないようにしましょう。
筆者は分解に成功したのですが、中を見せるほど面白いものでもなかったので、特に紹介はしません。ユニットの磁石が大きめで、見た目よりはパワーがありそうだという情報は付記しておきます。
総評
丸い珍奇な外観で、クセがない音を出すスピーカーです。
最も注目すべき点はやはり低音の伸びで、価格と本体の大きさを考えれば特筆に値します。
問題はケーブル関係の利便性の悪さです。普通にパソコンで使う分にはあまり困らない構成ですが、外部DACを使いたいなどと思ったあたりから不便に感じはじめます。安価なものなので許せる範囲ではありますが。
総じて、PC用やゲーム用の安価なスピーカーが欲しいが、細かい音のクオリティは気にしないにしても、低音は伸びるものが欲しい、という場合には強くオススメできます。同じような価格ではダイソーのスピーカーに毛が生えた程度のものが多い印象なので、コストパフォーマンスはずば抜けていると言えます。
本記事の内容は以上です。
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